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TGVのファーストクラスにて、パリに向っています [一般]

格安の飛行機を使うより、断然電車が便利だとヨーロッパの住人達は口を揃えて言うのです。

今日の午後、カナダに飛び立つ夫と別れてアムステルダムの空港からパリに向うべく電車に乗ったのでした。
車内のクルーは皆、フランス人です。
久しぶりに聞くフランス語に、私はなぜかほっとしているのでした。
オランダ人がどうとか悪口を言うつもりはありませんが、まったく不案内な言語のせいだけでもないようなこの安堵感、今の私はフランスにより強い親しみを感じているようですね。
自分でもびっくり。(笑)

ファーストクラスにした理由は・・・・
実は私、ここしばらくちょっとした問題を抱えているのです。
それは、トンネルに入るたび、駅以外の場所で電車が速度を緩めるたび、慌てて自らの思考をこの話題から逸らすほどの恐ろしさ。
昔から多少片鱗を見せていた私の閉所恐怖症。
実際は閉所というよりも、「抜け出したいと思った時に自由に抜け出せない状況に在ることへの恐怖症」です。
以前は決して諦めなかったダイビングでの大海制覇のロマンへの野望も、ここへ来てぐらぐら揺らいでいるのですよ。
ダイビングは閉所恐怖症者には禁忌行為なのでー。

ここ一年の間に、軽いパニック発作の片鱗のようなものが数回あり、オランダでも特急電車の中で息が詰まるような閉塞感と過呼吸を覚え、それから長距離電車に乗るのが恐ろしかったのです。
もしひとりで4時間の乗車中にパニックに陥りそうになったら・・・。
一瞬、パリ行きも全て諦めて、夫に付いてカナダに帰ろうか、でもこの不安定な状態で12時間のフライトは逆にリスキーなのではないか、などと心が千々に乱れます。
というわけで、「高ければ快適だろう」と目玉が飛び出る一等車のコストを呑むことで、自分を精神的に納得する方向へ誘導して問題を解決するという作戦。

ファーストクラスの乗車料金は160.50ユーロ。
昨今の日本円の低迷のためもありますが、3万円近い料金です。
シートは広いけど2等の指定席とそんなに変らないような気がしますが。
飛行機のようにアルコールを含む無料の飲み物と食事が付くところは確かに違いますね。
電源はありますが、インターネットにはつながらないです。
座席がすべてプライベートなわけでもなく、速度はそもそも変わりませんし、料金対質を考えると個人的には2等で充分なように思います。

道程はこれまでは極めて順調、たまに頭がフワーッとして呼吸が早くなって来ると、深呼吸をしてワインを飲んでやり過ごすことに。
以前、ニュースでまったくの下戸とアルコール中毒の人は、「そこそこにお酒を嗜む」程度の人に比べて自殺率が高いのだと読んだことがあります。
人生、日々是、辛酸を舐めるが如し忍耐の積み重ねなのですね。
如何に気晴らしをして行くかが人生をやり過ごすための智慧であるようで。
帰宅後の一杯のビールが、どれだけ人の気持ちをほぐしているのやらわかりませんよ。
過剰なダイエットが引き起こす摂食障害のひとつである拒食症も、一種の鬱状態なのだと言います。
日に3度の食事を味わい、胃袋を満たすという行為がもたらす精神的な満足感を奪われると、鬱状態に陥りやすくなるのだとか。
食事を摂らないということは楽しみを奪われた人生ですよね。
脳内快楽物質の分泌量が普段に比べて格段に落ちるのですから。

とか何とか、御託を並べて気を紛らわせている私。
何とか乗り切っています。
発作の片鱗は見えません。


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コメント 4

読んでいて驚いてしまったのですが…
実は私もmegさんと同じパニック発作を起こす一人なのです。

一時期とてもよくなって、特急や飛行機で旅行に行ったりしていたのですが、
1年ほど前に突如また発作の気が出てしまい…それ以降、またぱったり乗れなくなってしまいました。
今は徒歩と自転車と各駅停車の電車をこよなく愛する日々です(笑)
私は気長に付き合っていこうと思ってます。

megさんの症状があまりひどくなりませんように…
あの恐怖は筆舌に尽くしがたいので…本当に心からお祈りしております。

長文で失礼致しました!
by (2006-07-05 01:08) 

meg

ええっ、そうなんですか?
それは奇遇な・・・
ずっと同じような性癖を持つ人に是非会って話し合いたいものだと思っていたのです。
えりさんは、結構大きなショックを体験してしまったのですね。
確かに、一度軽く発作みたいのを覚えてしまうと、どんどんパニックへ陥るまでの段階が加速して行くように思います。
クセになる、というか・・・。
いいカウンセラーが居たら、一度会って治療法(操縦法?)について考えてみたいと思っています。
幸い、まだ症状はごく軽いので、これ以上自分を追い込まないように、心構えの仕方を決めなくちゃなりません。

宇宙飛行とか、潜水艦とか、想像するだに気分が悪くなりますよね。
↓そんな私が世界で一番怖いのがこの映画です。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00013YUA2/249-2760860-7553959?v=glance&n=561958
この死に方だけは絶対にしたくない!!
かなり良くできているので、もしあれだったら、見てみていただきたいんですけどね、えりさんが映画を見て倒れちゃったら困るので、オススメはしないでおきます。
by meg (2006-07-05 06:01) 

とても面白そうなのですが…
「今の私、コンディションバッチリ!」という時(軽く躁状態?)でないと具合悪くなってしまいそうな内容かしら…ドキドキ。

良く出来ていると聞いてとても気になります…!
心にストックしておきます~ありがとうござます。
by (2006-07-05 20:49) 

meg

うーんと、私的にはラストで「ぎゃぁぁあぁぁぁぁぁああっ!!」と叫び、その後3日間ぐらいこの映画のラストについてばかり話していました。(後遺症)
自分的には「こういうことって自分にも起りそう」という話の方が具合悪くなる感じなので、この映画ほどの不幸は普通には起りえないため、大丈夫でした。
でも、悶々と考えましたけどね。。。
想像を膨らまして自分の虫歯の痛みを突っつくような感じ。
・・・よくできた映画です。
by meg (2006-07-06 06:44) 

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