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稲妻を見つつ、エッフェル塔。墓参り。 [仏蘭西]

やはりパリに来たからには、おのぼりさんと言われようともエッフェルに登らなければならないものなのです。
エッフェル塔のたもとに着いたのが20時過ぎ。
延々と続く観光客の列に続き、エレベーターの入口に辿り着いたのが1時間後。

この日は午前中、摂氏40度を超える中を無理して歩き回ったため、午後には軽く熱射病の症状が出ていました・・・。

モンパルナス墓地に散歩に行ったついでに、S・ゲンスブールのお墓にお参りしてみたのです。
以前ジェーン・バーキンが渋谷でのコンサートにて、来日前にお参りしたセルジュのお墓に「オサケト、タバコガ、ソネエテアリマスタ」とたどたどしい日本語で教えてくれた通り、煙草や彼の似顔絵が数多くのファンからのメッセージと共にお墓を賑やかに飾り立てておりました。
"TU NOUS MANQUES!!" 君が居なくて、寂しいよ!!
迂闊にも涙が・・・。
夥しい数の遺骸を埋めたこの土地で、それぞれの周りに嘆く人々がその十倍。
死んで行く者はもとより、遺された者達の断腸の別れの嘆き声が、ひっそりとした墓々の間から陽炎のように無数に立ち昇ってくるような気がしました。

しかし・・・私の頭痛は夕方には復活しましたが、カンカン照りの陽が出ているうちにエッフェル塔の列に並んだ人は、半分は病院行きだったのでは!?
スイスはツェルマットにて、680mほどの標高差をトンネルにより強引に3分で昇ってしまうという恐ろしい地下ケーブルカーの経験者としては、こんなに窮屈で息苦しいエッフェル塔のエレベーターだって、もう平気だもん。(そういえば、敢えてチェックはしていなかったが、スイスでは例のS社製エレベーターだらけだったらしい・・・)

エッフェル塔地上3階までは、産業革命時のカラクリ然とした車輪が廻る水圧式のエレベーターで。その後の最高階までは階段で昇ります。
と、3階の115メートル地点にてエレベーターを降りた途端、フレアースカートがじょうご型に裏返るほどの強風!
パリの夜景に暗澹とかかる不吉な雨雲、そして容赦なく降りかかる雷鳴の轟き。
10歳以下の子供を抱えた両親達は、本気で非常事態の顔付きになっており、高所や雷が苦手な様子の人々も顔色を失くして柵へ張り付いて、呑気な観光客の団体は阿鼻叫喚の様相へと一変。
確かに、体重の軽い子供なら吹き飛んでしまってもおかしくないほどの風速です。
ふと、坂口安吾の「白痴」の一節、空襲の際においての露骨な不安や死への苦悶を表わす者への嫌悪を描いたくだりを思い出し。。。
私、閉所は大嫌いだけど、こんなオープンエアーなら全然平気です!!イェーイッ!!
さらに、大粒の雨が叩きつけるように降って来る頃には、危険との判断で最上階274メートルへの階段は封鎖されてしまいました。

この展開では、最上階までの切符を購入した多くの者が窓口に返金を求めて詰め掛けることは必至。
しかし、それを予想せずか否か、スタッフの対応はやはりケース・バイ・ケース。
ここはフランス。
合理化なんて、気が向いた時の上司に押し付けられない限り、あまり考えたくないの。
しかし思ったより簡単に差額を返金してもらえたので、ラッキーでした。

それにしても、服を着たままでこんなにびしょ濡れになったのはいつ以来だろう・・・。


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ちかこ

やはり、エッフェルさんは美しいですなぁ。
フォトジェニック。

エッフェルさんには
学生の頃ひそかに恋心をいだいていた女の子と一緒に登りました。
きゃ〜
by ちかこ (2006-07-28 22:19) 

meg

えっ、女の子だったの?

エッフェルさんは美しいので、そのものに登るより、見た目は可愛くなくて、あまり登る気になれないモンパルナスタワーから見た方が、逆にエッフェルさんを見られるということを教えてもらったので、昨日登ったよ。

うん、パリの景色にエッフェル塔はほしいな、やっぱり。
by meg (2006-07-30 18:11) 

りお姐

3年前の旅行最終日の午後、ふらふらと散歩してモンパルナス墓地に入りました。
適当に歩いていたら、ゲーンズブールの墓を偶然見つけました。彼のことを全く知らないのに、涙が出ました。
実は、これがフランスへ行こうと心を大きく揺るがした出来事の一つでした。
megさんも同じ経験しているなんて、なんて奇遇なのかしら!
by りお姐 (2006-08-01 20:28) 

meg

ほんと、奇遇ね!
あのお墓は世界中の人々のメッセージが寄せられているので、うるっと来ちゃうんですよねー。
でも、墓地でお墓探ししてたらジェーン・バーキンと遭遇!とかあったらすごいのに。(笑)
by meg (2006-08-04 18:56) 

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