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「ジャンヌ・ダルク」(1999) - Jean of Arc フランス [映画]

監督: リュック・ベッソン
出演: ミラ・ジョヴォヴィッチ、ジョン・マルコヴィッチ、フェイ・ダナウェイ

★★★☆☆☆

フランスから帰って来て、いや、すでに在仏中からフランスの歴史を学びたくて仕方がなかったのです。
メイン・ストリームのヴェルサイユ、フランス革命、ジャンヌ・ダルクの物語の他にも、今回多くの古城や要塞にて目にして来たロマネスク様式以前の素朴で実用主義的な、原始的とも言える装飾様式の廃墟の数々が辿った運命、十字軍に根絶させられた異端の神々への信仰生活、魔女狩り、拷問の記録に残る中世の血生臭さなど・・・。

中学生時代には世界史にも地理にも微塵の興味もなかった上、高校時代は授業中も他のことに忙しく(昼寝、瞑想、早弁等)恥ずかしいまでに知識がない私なのですが、実際にある史実が繰り広げられたまさにその地に立ち、遺址を目のあたりにすると、どうして俄然興味が湧いてくるものです。

さて図書館が大好きな私としては、ここで早速ネットで関連書籍を調べ上げ、近所の区立図書館から十数冊ほど借り込んで来ては、ざっと読み飛ばしてお勉強がしたい。
そこから更に芋づる的に湧いて来る好奇心の枝葉を飽きるまで辿って、ようやくお腹がいっぱいになって満足する。
しかしせっかく仕入れた知識の大半は1ヶ月もすればすぐに忘れてしまう、といういつものパターン。
しかし、ここはカナダ。
ちょっとした調べ物のソースがすべて英語と来ては、かいつまんで情報を得るには所要時間と忍耐力が通常の5倍は必要なのです。
いや、フランス語よりはまだ良いけれどもさ。

仕方がないので、まずは小手調べにリュック・ベッソンの映画「ジャンヌ・ダルク」を観ることに。
ジャンヌが、類まれなるカリスマ性で人々を駆り立てる魅力溢れる乙女というよりは、ただヒステリックにわめき散らしている狂人にしか見えなかったことが少々残念。
聖女として祭り上げられたジャンヌにも人間としての迷いや悩みがある、というところに監督は重点を置きたかったようですが、残念ながら人として共感できるようなヒロインとは言い難いのです・・・。

リュックさんの繰り出す映像美はなかなかの豪華スペクタクルでしたが、ミラ・ジョヴォヴィッチの演技はフィフス・エレメントのリールーの時とほぼ同じで、アウアウ言いながら脅えているか、聞いているだけで喉が痛くなるような声で始終ギャーギャーわめいているかであり、大変疲れる映画でした。

↑ミラジョヴォヴィッチ ↑鳥肌実

そして当時の男性のヘアスタイルである坊ちゃん刈りにした鎧姿のミラちゃんが、どうしても鳥肌実に見えてしまう・・・。

しかし、昔から神の声を聞く人間は、如何に多かったことでしょうか。
現在でもビジネスの才覚があれば新興宗教の長となりお布施を集めている者も居れば、抗精神薬を処方されて黙る者も居るでしょう。
その点では本当に神の使いであったのかも、単なる精神障害者だったのかもしれない19歳の少女の脆さを強調しすぎるほどに描き出している点が面白いです。
さらにこの映画を作った当時、リュックはハリウッドで一躍大作を発表した直後であり、大きく宣伝していたメジャー路線の映画である割には、きちんとフランス映画特有の難解さを踏襲しており、そんなところにも思わず好感を持ってしまいました。
中世独特の重苦しさと残酷さも漏れなく表現されていて、音楽も良かったです。

そして、すばらしくタイミングの良いことに、ルームメイトの彼女が仕事で行っていた日本からヴェルサイユのばら全巻を買って帰って来ていたので、じっくり再読することができました。
これで、フランス革命はだいぶわかりました。
インターネットのおかげで、かなりの情報を補うこともできます。
・・・でも、もっと本が読みたいよ~。
北アメリカ方面に来るご予定のある皆さん、この類のジャンルの古本などご自宅に所蔵されておりましたら、ご持参の上貸与頂けますと大変ありがたいです・・・。

ジャンヌ・ダルク

ジャンヌ・ダルク

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2006/09/27
  • メディア: DVD


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